S字型指輪の歪み加減
今回ご来店のお客様は兵庫県からお越し頂きました!
デザインはシンプルなS字型の甲丸リングを手作りしていただきました。
指輪を作るためのワックスはパイプ状の形になっていて切り離すだけでドーナツ型の指輪になります。
切り離したワックスの内側を削ったり余分な厚みを削って適正な指輪のボリュームにするだけでストレート型の指輪なら簡単に初心者の方でも手作りする事ができます。
今回のお客様のようにS字型の指輪を手作りする場合は歪み幅分のワックスを切り出して
余分な部分を削り取ってS字型になるように形を削りだして作ります。
S字型の指輪の歪み加減は切り出すワックスの幅、サイズ、指輪幅によって変わってきます。
今回はその歪み加減を説明してみようと思います。
【5mm幅のワックスから2.5mmの指輪幅の削りだし】
この図のグレーの部分は5mmのワックスから2.5mm幅の指輪を作る場合のワックスを削る部分です。
上はサイズが小さい場合、下はサイズが大きい場合です。
図で見て解るようにサイズが大きくなると同じ5mmから削りだした場合歪みが浅くなるのがわかると思います。
一般の既製品でもサイズが違うとこのようになっていると思いますが、
意図的にサイズの大きい物の歪みをきつくしたいのであれば5mm→6mmぐらいに少し幅を広く切り出したワックスから削ると
サイズの小さい物とカーブをよく似た歪み加減にする事が出来ます。
今度は指輪の幅によっての違いを見ていきましょう。
【5mm幅のワックスから2.5mmと2mmの指輪幅の削りだし】
今度は同じ5mmのワックスから2.5mm幅の指輪を切り出した場合と
2mm幅のワックスを削りだした場合の歪み方を図にしています。
指輪幅を細くすると歪み方が大きくなるのがわかると思います。
歪み方を緩やかにするには5mmではなく、4mmぐらいから削り出せばカーブを緩やかにする事が出来ます。
このように指輪サイズと指輪幅によって歪み方が変わってくるのでペアの歪み加減を同じようにするのは意外と難しく
手作りではおおよそ歪み加減を合わせると言うことになります。
今回のお客様は指輪幅は同じでサイズもそれほど大きく違わなかったので
歪み加減はよく似た仕上がりとなりました。
完成したワックス原型をお預かりしてプラチナで仕上がった物がこちらです。
手作りなので多少の幅の違いや歪み加減の違いはありますが、
手作りの味と言うことで逆に既製品より風合いが良い指輪になると思います。
この度は本当にありがとうございました!
末永くお幸せに(^^)