手彫り龍の結婚指輪
当店では手作りの結婚指輪の他にフルオーダーメイドでの結婚指輪のご注文も承っております。
オーダーの結婚指輪のなかで表面に手彫りで彫刻をする結婚指輪がありますが、人気なのはハワイアン彫刻です。
ハワイアン彫刻は表面全面に彫刻を埋め尽くす洋彫りですが、今回は最近では珍しい龍の彫刻を入れた和彫りの結婚指輪をフルオーダーを承りました。
手作りで結婚指輪を作る場合、原型をお客様に製作していただきますのであまり複雑なデザインの制作は難しく、フルオーダーの場合はかなり細かいデザインの結婚指輪も製作が可能になります。
龍の彫刻の場合ベースになる指輪はシンプルな甲丸リングなのでお客様に製作していただくことも出来たのですが、お客様は最初からフルオーダーがご希望でご来店くださいました。
そのため、店頭でオリジナルの結婚指輪や、フルオーダー見本などをご覧になり、珍しい龍の結婚指輪のご注文に決まりました。
まずベースになる平打ちリングをプラチナで製作します。表面が平らな平打ち側の表面を磨く場合、ヘラを使って表面を押さえて表面に光沢を出します。
プラチナの場合ヘラ掛けをするのとしないのとでは光沢の仕上がりが全然違います。当店でご注文いただく結婚指輪は手作り、オーダー問わずヘラ掛けをして表面を光沢仕上げにしていきます。金属ではおかしい表現ですが、プラチナは表面に粘りがあり単純にバフ研磨だけではピカッとした光沢にはなりにくいからです。
ご注文いただいた結婚指輪は女性物が4mm幅、男性物が5mm幅と幅広タイプなので余計に凸凹があると目立つので念入りにヘラ掛けして仕上げました。
ヘラ掛けによってキレイに光沢を出した結婚指輪は彫刻を施すためにツヤ消し作業をして表面をマット仕上げにします。
全面を彫刻で埋め尽くす洋彫りのハワイアンに比べて和彫りの場合はキャンバスに筆で絵を描くように彫刻を施すので、彫り跡をキラキラと目立たすためにツヤ消しにする事が多いです。
このつや消しの方法も幾つかありますが、和彫りの場合は一番きめの細かいサンドブラストによるつや消しが良く似合います。
サンドブラストとは、細かい砂の粒子を高速で吹き付けるもので、ピカピカの光沢面に砂によって微小の凸凹を付けると曇ったようなツヤ消しになります。ツヤ消しの中では一番人気のあるツヤ消し処理でもあります。
ツヤ消しにした結婚指輪を彫刻を施すための彫刻台にセットして手彫りで彫刻していきます。
写真を見ていただくと彫り跡の細い部分と太い部分があるのがわかります。
単純な模様だと機械で彫ることも出来ると思いますが、このような抑揚のある彫刻は手彫りではないと表現できない物になります。
また、レーザー彫刻はかなり細かい彫刻をする事が出来ますが、彫り跡はレーザーで焦がした跡なので表面に印刷したような仕上がりになりデジタルなイメージになります。
ダイヤの石留めなどが出来るジュエリー職人は沢山いらっしゃると思いますが、和彫りや洋彫りが出来、龍の彫刻が彫れる職人は日本には数人しかいないのではないでしょうか?!
彫刻を施すタガネも線の太さや彫り跡の形によって沢山の種類があり、その都度タガネをチョイスして彫っていきます。
ある程度の幅の広い指輪ではないと彫刻が出来ないため指輪自体も幅広で高価な結婚指輪になるので、最近では彫刻をする機会も少ないため職人も減っているのだと思います。
日本の建築でも木造の神社などの欄干の木造彫刻などを行う宮大工さんが少ないのと同じようなことだと思います。
当店では熟練した職人が彫刻作業を行っておりますのでこのような難しい彫刻もリーズナブルな価格で彫刻を承ることが出来、と同時に他ではなかなか見ない龍の彫刻のような温もりがあって味のある手彫り彫刻をご提供する事が出来ます。
写真は龍のお腹のあたりの彫刻面です。
龍の体のうねり具合、ウロコの感じとか手彫りならではの味のある彫刻です。
一度つや消しにしてから表面にピカピカ刃先の超硬のタガネを使って彫るので龍の彫り跡もピカピカしてとてもキレイです。
写真ではピカピカ感を表現できないのが残念です。
こちらが完成した手彫り龍の結婚指輪です!
龍の顔の表現も職人のセンスが無いと格好いい龍の顔にならないし、本当に熟練の技が栄える結婚指輪です。
内側にはコンピューター彫刻ですが、日本語で彫刻をいれて、表面と内側も和のテイストの結婚指輪になりました。
フルオーダーメイドの場合は、手作りよりも少しお時間をお待たせするようになりますがご注文ありがとうございました!
お渡し時には大変喜んでいただきました。この度は本当にありがとうございました!
末永くお幸せに(^^)