ハンドモーターで凸凹模様を自作した結婚指輪
お隣の兵庫県からご来店頂いたお客様のご紹介です。
大阪工房で結婚指輪を手作りして頂きました。
今回ご来店頂いたお客様は雰囲気カジュアルなお洒落なお二人でした。
デザインを決める際に沢山の指輪見本を見て頂き、カジュアルなデザインを中心に選別していきました。男女では好みが違うのでいろいろ相談して彼の希望で表面を自作でランダムな凸凹が入ったデザインに決定です!
彼の雰囲気にぴったりの結婚指輪の手作り開始です!
ワックスの切り出し
基本の形はストレート型。
作る指輪の幅に合わせてノコギリでワックスを切り出します。
メンズは彼の手の大きさに似合うように指輪幅は3mmと太目で作ります。
レディスは華奢な彼女の手の大きさに似合う指輪幅で、細目の2mmで切り出して頂きました。
ノコギリで切る際に目安線を引きますがおおよその人が真っすぐは切れずに断面がガタガタになることが多いです。
木を切るのとは違ってワックスは柔らかいので、真っすぐ切るにはそれなりのコツが必要ですが、ガタガタになっても大丈夫です。
ワックスが柔らかいがゆえに切った断面はヤスリで簡単に真っすぐ整えることが出来るので安心してください!
ワックスを切り出したのちに行う作業は以下の通りです。
①断面をヤスリで削る
②内側をリーマーで削りサイズ合わせ
③余分な外側の厚みを削る
ここまでの作業でシンプルな甲丸リングなどであれば指輪原型の完成です!
表面の模様を自作する
今回のお客様のデザインは表面に凸凹模様を入れてピカピカには磨かないカジュアルなデザインに仕上げます。
そのため、シンプルなストレート型の甲丸リングが出来上がればハンドモーターを使って表面に模様を入れます。
彼が一生懸命に模様を入れる作業をしてるところです。
ここで注意しなければいけないのは、ハンドモーターを強く押し付けない事です!
ハンドモーターを強く押し付けてしまうと柔らかいワックスは歪んで折れてしまいます。
ハンドモーターの先には回転するヤスリのような治具がついており、押さえつけなくても充てるだけで自然に削れて行きます。練習など必要の無い作業ですが、自身の無い方は少し練習すれば簡単に出来るようになるでしょう。
ハンドモーターとは
ここでハンドモーターについて少し説明いたします。
先はチャックになっており、いろいろな治具を取り付けて使います。
スイッチを入れると先の治具が回転し、治具によって穴をあけたり削ったりすることができる工具です。鉛筆を持つように手でもって使い、歯医者さんが歯の治療に使うハンドモーターとよく似た工具です。
先にドリルをつけると、ドリルの直径によって大きさの違う穴をあけることができます。
研磨治具をつけると金属を磨いてピカピカに仕上げることができます。
ワックス表面の模様はダイヤモンドバーという治具を使って模様を入れました。ダイヤモンドバーとは細かい人口ダイヤモンドの粒子が先端についており、対象物を削ったりする作業に使用します。
ダイヤモンドバーにもいろいろな形状があり、今回のデザインのような場合は写真のようなボール状のダイヤモンドバーを取り付けて模様を入れます。
凸凹表面の結婚指輪原形の完成
ダイヤモンドバーを使用し、ハンドモーターでワックスの表面にランダムな凸凹模様を入れたワックス原型が完成しました!写真を見ると小さな丸いランダムな凸凹がついているのがわかると思います。
削り方によって細い凸凹、荒い凸凹と使う人によって模様が違うので、その人の好みに合わせて凸凹具合を調節すればよいでしょう。
手作り結婚指輪の完成
プラチナで鋳造後、きれいに研磨して結婚指輪に仕上がりました。
レディスには女性らしさを出したいということでダイヤモンドを1個埋め込んでいます。
幅は2mmと細く作っていますので、表面はカジュアルなデザインですが指輪が細いと可愛らしく見えます。
この度は、ジュエリークラフトMAKI大阪工房にて結婚指輪の手作りご来店ありがとうございました!