手作り結婚指輪のワックス製作は表面に模様を彫れます

ワックスで表面にイニシャルを彫った手作り結婚指輪

結婚指輪を手作りする方法は当店では2つ用意されています。

一つはプラチナやゴールドの金属を直接丸めて指輪に仕上げる彫金製作と、ワックスで原型を作り鋳造して結婚指輪に仕上げるワックス製作です。

ワックスで原型を作るワックスコースの場合は自由な形やデザインを作ることが出来、柔らかい素材なので指輪の表面に模様をつけたりすることが出来ます。

今回ご紹介のお客様は指輪の表面にお二人のイニシャルを彫っていただきました。

ただイニシャルを彫るのではなく、二つの指輪を合わせたときにだけイニシャルが浮かび上がるという完全にこのペアじゃないとデザインが成立しないデザインです。

合わせると模様が浮かび上がるデザインの場合は、指輪サイズによって全周の長さが違うため既製品では作ることが出来ず、オーダーメイドか手作りによる一品物の製作に限り作ることが可能です。

そのため、完成した結婚指輪は世界で2人だけのオリジナル結婚指輪になります。

ワックスを使って指輪作りの開始

指輪の表面に模様を入れる場合はワックスでの原型作りでの指輪製作になるのでワックスで製作して頂きました。

ワックスを切り出す作業

指輪表面に自作で模様を入れる場合は初心者でも模様が入れやすいように幅は広めの指輪にしていただきました。お二人ともサイズが大きくて幅も広いデザインなので指輪の金額は高くなってしまいますが、高くなっても良いとの了承を得ての製作です。

ワックス切り出し

イニシャルがはっきり浮かぶように幅は3mm程度で作ります。ストレートのデザインでなければぴったり模様を合わせることが出来ないのでストレート型の3mm幅でワックスを切り出します。

ノコギリを使ってワックスを切断しますが、女性はノコギリを使ったことが無いというお客様が多いです。ですが、木や鉄など硬いものを切断するのではなく柔らかいワックスなのでスムーズに切ることが出来ます。柔らかいので歪んで切れてしまいがちですが慎重に作業します。

ワックスを切るとどうしても断面がガタガタになりがちですが、ヤスリを削って平らにします。と同時に幅も3mmになるように削ります。

指輪のサイズ合わせ

ワックスの幅が3mmまで削れれば今度は指輪のサイズを合わせます。

指輪サイズを合わせる作業

指輪ワックスの穴を広げてサイズを合わせるので指輪サイズも自由に合わせることが出来ます。ぴったりの整数サイズだけでなく、0.5刻み、0.25刻みなど細かく調整できるのも手作りで指輪を作る魅力です。

特に薬指の第二関節が太く根元が細いタイプの指の人は第二関節ぴったりに合わせる必要があります。少しでもサイズが大きいと関節からすぐに抜けてしまい、また、少し小さいと関節の骨にあたって指輪が入らないといったことになります。細かいサイズ調整が出来るのはこのような関節の骨の太い人にとっては特に有利な方法です。

指輪の表面に自作で模様を彫る

サイズ合わせが出来たら余分な厚みをヤスリで削って表面を少し丸みのある甲丸型に仕上げます。

ここまでシンプルな甲丸型の原型が完成です。

今回のお客様のデザインはここからが重要な加工工程になります!

ワックスにイニシャルを自作で彫る作業

指輪の表面にイニシャルを手作業で彫っていきます。指輪を合わせるとイニシャルが浮かぶように彫るので、指輪を重ねてマジックで下書きをし、下書きの通りに溝を彫りこんでいく作業です。

この溝を彫る作業はハンドモーターの先にドリルのような治具を付けて彫ります。

下書きの通りにドリルの先を動かせば簡単に彫ることが出来るのですが、手元がくるって下書き以外の場所にあたってしまうと余計な溝が彫れてしまいます。また、真っすぐ滑らかな溝を彫るのはなかなか難しいものです。

ですので、いきなり本番の指輪には彫らず、不要なワックスに溝を彫る練習をしてから本番に臨んでもらうようにしてもらっています。

充分に練習をして大丈夫だと思う自分たちのタイミングで本番作業開始です!

細かい作業なので必要であれば拡大鏡を使います。拡大鏡は大きな単体のレンズなので人によっては逆に見にくくなってしまうため自分に合った方法で作業します。

イニシャルの浮かぶ手作り結婚指輪の完成!

イニシャルを彫れば手作り結婚指輪ワックス原型の完成です。

イニシャルが浮かぶ手作り結婚指輪原型

この原型をお預かりして当店の工房でプラチナ鋳造して結婚指輪に仕上げます。

プラチナできれいに磨いて完成した結婚指輪がこちらです。

合せるとイニシャルが浮かぶ手作り結婚指輪

二つの指輪を合わせると見事にお二人のイニシャルが浮かびました!

今回のお客様の場合、指サイズも良く似たサイズだったので表面外周の長さも良く似ておりぴったりとイニシャルが浮かぶように出来上がりました。

完成した指輪を見ていただくとメンズの方だけ内側が青い色をしています。彼の希望で指輪の内側のみブルーのコーティングを施しています。

このブルーのコーティングはメッキなので指輪表面に施した場合は傷や擦れなどによって剥がれてきてしまいます。そのためコーティングは堅いものにあたりにくい内側に施すようにさせていただいています。

内側をブルーコートした手作り結婚指輪

コーティングは内側のみなので普段指に着けているときは見えませんが、外すと青い部分が見えてオシャレです。

自分たちで手作りした結婚指輪なので愛着もあり、一生大事に出来る二人だけのオリジナル結婚指輪になります。