手作り結婚指輪のワックス製作は表面に模様を彫れます

2023-01-25 11:24:01  | NoComment
                   

結婚指輪を手作りする方法は当店では2つ用意されています。

一つはプラチナやゴールドの金属を直接丸めて指輪に仕上げる彫金製作と、ワックスで原型を作り鋳造して結婚指輪に仕上げるワックス製作です。

ワックスで原型を作るワックスコースの場合は自由な形やデザインを作ることが出来、柔らかい素材なので指輪の表面に模様をつけたりすることが出来ます。

今回ご紹介のお客様は指輪の表面にお二人のイニシャルを彫っていただきました。

ただイニシャルを彫るのではなく、二つの指輪を合わせたときにだけイニシャルが浮かび上がるという完全にこのペアじゃないとデザインが成立しないデザインです。

合わせると模様が浮かび上がるデザインの場合は、指輪サイズによって全周の長さが違うため既製品では作ることが出来ず、オーダーメイドか手作りによる一品物の製作に限り作ることが可能です。

そのため、完成した結婚指輪は世界で2人だけのオリジナル結婚指輪になります。

ワックスを使って指輪作りの開始

指輪の表面に模様を入れる場合はワックスでの原型作りでの指輪製作になるのでワックスで製作して頂きました。

ワックスを切り出す作業

指輪表面に自作で模様を入れる場合は初心者でも模様が入れやすいように幅は広めの指輪にしていただきました。お二人ともサイズが大きくて幅も広いデザインなので指輪の金額は高くなってしまいますが、高くなっても良いとの了承を得ての製作です。

ワックス切り出し

イニシャルがはっきり浮かぶように幅は3mm程度で作ります。ストレートのデザインでなければぴったり模様を合わせることが出来ないのでストレート型の3mm幅でワックスを切り出します。

ノコギリを使ってワックスを切断しますが、女性はノコギリを使ったことが無いというお客様が多いです。ですが、木や鉄など硬いものを切断するのではなく柔らかいワックスなのでスムーズに切ることが出来ます。柔らかいので歪んで切れてしまいがちですが慎重に作業します。

ワックスを切るとどうしても断面がガタガタになりがちですが、ヤスリを削って平らにします。と同時に幅も3mmになるように削ります。

指輪のサイズ合わせ

ワックスの幅が3mmまで削れれば今度は指輪のサイズを合わせます。

指輪サイズを合わせる作業

指輪ワックスの穴を広げてサイズを合わせるので指輪サイズも自由に合わせることが出来ます。ぴったりの整数サイズだけでなく、0.5刻み、0.25刻みなど細かく調整できるのも手作りで指輪を作る魅力です。

特に薬指の第二関節が太く根元が細いタイプの指の人は第二関節ぴったりに合わせる必要があります。少しでもサイズが大きいと関節からすぐに抜けてしまい、また、少し小さいと関節の骨にあたって指輪が入らないといったことになります。細かいサイズ調整が出来るのはこのような関節の骨の太い人にとっては特に有利な方法です。

指輪の表面に自作で模様を彫る

サイズ合わせが出来たら余分な厚みをヤスリで削って表面を少し丸みのある甲丸型に仕上げます。

ここまでシンプルな甲丸型の原型が完成です。

今回のお客様のデザインはここからが重要な加工工程になります!

ワックスにイニシャルを自作で彫る作業

指輪の表面にイニシャルを手作業で彫っていきます。指輪を合わせるとイニシャルが浮かぶように彫るので、指輪を重ねてマジックで下書きをし、下書きの通りに溝を彫りこんでいく作業です。

この溝を彫る作業はハンドモーターの先にドリルのような治具を付けて彫ります。

下書きの通りにドリルの先を動かせば簡単に彫ることが出来るのですが、手元がくるって下書き以外の場所にあたってしまうと余計な溝が彫れてしまいます。また、真っすぐ滑らかな溝を彫るのはなかなか難しいものです。

ですので、いきなり本番の指輪には彫らず、不要なワックスに溝を彫る練習をしてから本番に臨んでもらうようにしてもらっています。

充分に練習をして大丈夫だと思う自分たちのタイミングで本番作業開始です!

細かい作業なので必要であれば拡大鏡を使います。拡大鏡は大きな単体のレンズなので人によっては逆に見にくくなってしまうため自分に合った方法で作業します。

イニシャルの浮かぶ手作り結婚指輪の完成!

イニシャルを彫れば手作り結婚指輪ワックス原型の完成です。

イニシャルが浮かぶ手作り結婚指輪原型

この原型をお預かりして当店の工房でプラチナ鋳造して結婚指輪に仕上げます。

プラチナできれいに磨いて完成した結婚指輪がこちらです。

合せるとイニシャルが浮かぶ手作り結婚指輪

二つの指輪を合わせると見事にお二人のイニシャルが浮かびました!

今回のお客様の場合、指サイズも良く似たサイズだったので表面外周の長さも良く似ておりぴったりとイニシャルが浮かぶように出来上がりました。

完成した指輪を見ていただくとメンズの方だけ内側が青い色をしています。彼の希望で指輪の内側のみブルーのコーティングを施しています。

このブルーのコーティングはメッキなので指輪表面に施した場合は傷や擦れなどによって剥がれてきてしまいます。そのためコーティングは堅いものにあたりにくい内側に施すようにさせていただいています。

内側をブルーコートした手作り結婚指輪

コーティングは内側のみなので普段指に着けているときは見えませんが、外すと青い部分が見えてオシャレです。

自分たちで手作りした結婚指輪なので愛着もあり、一生大事に出来る二人だけのオリジナル結婚指輪になります。

男性でもOK!花びら形の手作り結婚指輪

2023-01-12 22:56:12  | NoComment
                   

ワックスを使って結婚指輪を手作りして頂いたお二人のご紹介ですが、先に結婚指輪を手作りするためのワックスの種類を少しご紹介したいと思います。

結婚指輪に使うワックスの種類

結婚指輪の原型を作るためのワックスは一般に良く使われている種類が3種類あります。

ワックスの色が青、紫、緑で色分けされており、それぞれの硬さが違います。

柔らかい順に青>紫>緑で、緑が一番硬さのあるワックスです。

なぜこのように硬さの違いがあるのかというと、製作する原型によって使い分けます。

青ワックス

青のワックスは一番柔らかく切ったり削ったりするのが一番簡単です。ヤスリで削った跡もペーパーヤスリや布などで磨いていくと簡単につるつるにすることが出来ます。

柔らかいので一番扱いが簡単なのですが、その分角を出すとかエッジを立てるといったことが難しくなります。角のあるデザインを作れたとしても指で擦るだけで簡単に角がダレて丸くなってしまいます。

そのため、角や尖った部分の無いデザインのジュエリーを作るのに使用します。

紫ワックス

青ワックスと緑ワックスの中間の硬さのワックスです。青ワックスに比べて硬さがあるのである程度エッジの聞いたデザインの製作に向いています。ある程度細かいデザインの製作が可能なのでプロの職人さんが一番使っているワックスでしょう。

緑ワックス

一番硬いワックスです。尖った部分やエッジをビシッと出すことが出来ます。そのため細かい模様やパーツを作ることが出来るので小さな部品のようなものも作れます。

ただし、固い分切ったり削ったりするのに少し時間がかかります。また、固いので少し力が加わると折れたり割れたりするので扱いはかなり慎重に行う必要があります。

初心者向きのワックスは青

用途によって使い分けするワックスですが、初心者の方が作業しやすいのが青ワックスです。切削も簡単で作業も早いので初心者が一番扱いやすいワックスでしょう。エッジを出しにくいという特徴がありますが、結婚指輪やペアリングでは尖った部分やシャープなエッジのデザインは必要なく青ワックスで充分作ることが出来ます。

MAKI工房でも大阪・徳島ともに青ワックスでお客様に結婚指輪を手作りして頂いております。

花びら型の結婚指輪原型作りの開始

前述したようにご来店のお2人には青ワックスを使って作業をしていただきました。

このページのタイトルにあるように花びら型の結婚指輪を作っていただきます。完成した指輪は最後にご紹介しようと思いますが、指輪の形はストレート型のデザインです。

ワックスの切り出し

ワックスを切り出す彼女

指輪幅は2mmに決定で、チューブ状の青ワックスから2mm幅でワックスを切り出します。切り取るための目安線を2mm幅でワックスに罫書き、その罫書き線を目安にノコギリでワックスを切っていきます。

ワックスの特徴を説明したように青ワックスは柔らかく簡単に切ることが出来ます。気を付けないといけないところは柔らかいゆえに歪んで切れてしまいやすいので真っすぐ切るのに少しコツがいる程度でしょうか。ですが、断面がガタガタに切れてしまっても断面は簡単にヤスリで削ることが出来るのでそれほど気にしなくても大丈夫です。

ワックスのサイズ合わせ

指輪のサイズ合わせをする彼女

断面をきれいにヤスリで削って2mm幅にし、ドーナツ状になったワックスの穴を広げて自分たちの指サイズになるようにしていきます。

この穴を広げる作業は力を入れて無理に削ると内側の面がガタガタになってしまうのでゆっくり力を入れずに削っていただきます。サイズの穴は大きくなりすぎると修正がきかないのでサイズ合わせは特に慎重に行います。

表面の模様を削る

結婚指輪を手作りする彼

サイズ合わせが出来上がると表面を削って適正な指輪厚みにします。

厚みを削って表面をある程度仕上げたあと、最後に一番重要な花びら型に削る作業です。

まず完成した花びら型の結婚指輪原型をご覧ください。

花びら型の手作り結婚指輪原型

シンプルなストレート型のワックスに5か所の切れ込みが入っているのがわかるでしょうか。

指輪の表面から側面にかけての角を三角ヤスリで削って切れ込みを入れています。マジックで下書きを入れているようにこの切れ込みを広げるように削れば花びら型の結婚指輪原型になります。

この切れ込みを入れる作業は細かい作業なので慎重に。

写真で言うと指輪の幅真ん中に向かって上下から切れ込みが入っていますが、ずれの無いように削らなければいけません。また、力を入れて押さえて削ろうとすると柔らかいワックスなので折れてしまうことがあります。ただし、折れても熱で溶かしてくっ付けることが出来るので失敗してもやり直しが出来るので落ち着いて作業しましょう。

折れたりしても修正が出来るのがこのワックスでの手作りが初心者の方に向いている大きな理由でもあります。

花びら型の結婚指輪が完成

ワックスの切れ込みを滑らかに広げてプラチナ鋳造して完成した結婚指輪です。

側面が花びら型の手作り結婚指輪

写真を見ていただくと滑らかに広がって、指輪の側面が5枚の花びらの形になっています。MAKI工房では別のデザインで5枚の花びら型の結婚指輪がありますが、そのデザインに比べると側面のみ花びら型に見えるデザインなのでよく見ないと花びらになっているのがわかりにくいデザインです。

このよく見ないとわからないというのがミソで、男性が身に着けても可愛らしすぎないというデザインになります。

しかも指輪の表面部分が平打ち型でシャープなイメージも兼ね備わったデザインなので都会的でクールな印象を与え、男性でもかっこよく付けられる結婚指輪です!

花びら型の手作り結婚指輪

指に着けると側面が花びら型になっているとは見えず、無限大の形が表面全周に繋がったようなデザインです。

男性にも人気があり、大阪工房と徳島店ともにこのデザインを手作りするお客様は多く、アレンジしてダイヤモンドを埋め込んだり、一部つや消しにするなどして自分たち独自のデザインにすることが出来るので本当におすすめのデザインです。

気になる方は是非ご相談ください!

自作で猫のモチーフを彫った手作り結婚指輪

2023-01-10 17:55:19  | NoComment
                   

ワックスを使って結婚指輪の原型を手作りしたカップル様のご紹介です。

ワックスを使った方法の場合は自由に好きなデザインの結婚指輪を作ることが出来ます。ただし、初心者のお二人が手作業で作るので、あまり複雑で細かい模様のデザインを手作りするのは難しいと思いますが今回のお二人は、細かいデザインの指輪作りに挑戦して頂きました。

先に完成した結婚指輪をご覧いただきます。

自作で猫のモチーフを彫った手作り結婚指輪

指輪の形は基本的にストレート型なので難しいものではありませんが、表面に細かいデザインが施されています。この模様をお客様自身で彫って作ったものなので手作り感のある模様になっていますが、女性物はプロが模様を彫ったように上手に出来上がっています。

ワックスに模様を彫る

指輪ワックスに無限大の模様を入れる彼

ワックスの表面に模様を彫る方法はいろいろありますが、今回のモチーフの場合はハンドモーターを使って作業して頂きました。

ハンドモーターの先にはいろいろな治具を取り付けることが出来、用途によって使い分けます。先の治具が回転するので、削る、磨く、のような作業に適しています。

メンズは無限大の模様

メンズのモチーフは無限大の模様が全周に繋がるように入ったデザインで、まず、マジックで指輪ワックスの表面に下書きをします。

その下書きをなぞるように表面に模様を彫っていきます。ハンドモーターの先につける治具は先が細くとがったヤスリのような治具を付けて削ります。基本的に下書きをなぞれば勝手に模様が彫れるので慎重に下書きからずれないように彫ります。彫った溝が滑らかなラインになるのが理想ですが、手作業なので多少はいびつになってしまいます。ですが、手作り感のある模様で温かみがあるイメージにもなります。手作りならでわの良い部分ととらえて作業して頂きました。

レディスは可愛らしい猫の顔の模様

指輪ワックスに猫を彫る彼女

レディスに入れるモチーフは彼女の強い希望で猫の顔を彫りました。指輪の幅は細い方が良かったのですが、幅が細いと模様が細かくなり入れることが出来ません。そのため、トップの模様が入れられる部分は広く、それ以外の指輪幅は細く絞った形にしていただきました。

猫の顔の部分はまん丸い形なのでボール型の治具をハンドモーターに取り付けてワックスの表面に押し付けると簡単に丸い模様を入れられます。難しいのは猫のヒゲと耳です。

ひげは細く真っすぐにラインを引くだけですが細かいので慎重に彫っていただき、特に耳は三角形の形になるように彫る必要があります。

どのようにハンドモーターを充てれば耳の三角形がきれいに彫れるのか事前に練習をしていただき本番に臨んでいただきました。

その甲斐もあってものすごくきれいに猫の顔が彫れました!

おおよその場合、お客様が作っていただいたモチーフはプロの職人が後ほど仕上げをして模様などを整えさせていただいておりますが、今回のお客様が手作りした猫はプロの職人顔負けの仕上がりでしたので職人が手を加えておりません。完璧に出来上がっていたので素晴らしい出来です。

猫と無限大模様の結婚指輪原型の完成

お二人ともにかなり練習をして頂きながら指輪の製作をしていただいたので少し時間はかかりましたが結婚指輪の原型が完成いたしました!

それでも、作業開始から原型の完成までは約2時間強で完成です。

結婚指輪の原型を手作りしたカップル

自分たちで彫った模様なのでとても思い入れのあるデザインになり、完成までの期間はとても楽しみに待っていただけたようです。

当店でプラチナ鋳造して完成したお二人の結婚指輪をあらためてご覧いただきます!

自作で猫のモチーフを彫った手作り結婚指輪

とても猫好きの二人の結婚指輪だという事が一目でわかります。レディスの猫の顔のすぐ横には黄色い色のイエローダイヤモンドを埋め込んで華やかさも増し、明るい雰囲気のほのぼのとして結婚指輪の完成です!

ワックスを使った結婚指輪の手作りは、お二人が作れさえすれば自由なデザインを作ることが出来、こだわりの世界で2人だけの結婚指輪が作れます。

結婚指輪のデザインにこだわりのあるお客様は特にワックスでの結婚指輪手作りを是非ご検討ください。